妄想ラジカル

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「じゃーん」 と言いながら結が俺の前に突き出した答案には桐島結という名前のとなりに100と朱書されていた。 ………負けた。 まさか現実がこんなにも想像の斜め上をいくとはね。 *** 私が自信満々に見せ付けた答案を秋夜は口をぽかーんと開けて見ている。 「すげぇ、桐島さんこんなに頭よかったのか」 秋夜は少し悔しそうに言った。 「まあ、今回は偶然だけど」 とホントは満点を確信していたが謙遜して言ってやった。 「すごい。俺、数学には自信あったのに悔しいな……」 と言い残して秋夜は斜め後ろの席に着いた。 ……なんていう展開を期待をしてたんだけど、やっぱり期待は裏切られるためにあるらしい。 秋夜が言ったのは「すげぇ」だけだった。 しかも棒読みで、それ以外は何も言わずに席に着いた。 私のふーんに対する復讐か? その後も次々にテストが帰って来たが、私と秋夜の点数は似たりよったり。 しかし自信があった科目で僅差で負けるもんだから悔しくてしかたなかった。 秋夜が勉強までできる男だとは知らなかった。 かっこよくて、優しくて、サッカー上手くて、勉強も出来るんだね。 もう出木杉くんみたいだね君。 どうやら私の中でますます彼の魅力がましたようだ。 でも期末テストは絶対勝ってやる。 私は負けず嫌いだからね。 しかし、期末テストにはある障害がついていた。 「えっと、中間テストが終わったばかりですが、実はあと1ヶ月で期末テストです。」 帰りのホームルームで先生の言葉を聞いて私はまた勉強するのかよと考えると気が重くなった。 でも問題はそんなことではなかった。 「そして、期末の10日後には体育祭です。だから次のテストは体育祭の準備で忙しいなかで勉強しないといけません」 なんだってー!?
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