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テスト、体育祭、テスト、体育祭……
両立は難しいだろうな。
テストは1ヶ月前からがつがつやる必要はないが体育祭の方はもうすぐ合同練習やなんたらでかなり忙しくなるだろう。
何せ俺は体育委員だからな。
なんて考えてるうちにもう学校は体育祭モードに染まっていた。
ブロックの組み合わせが決定してからは2組は1年のくせに3年並の盛り上がりを見せていた。
理由は体育の授業で一年の種目である綱引きで1組に全く勝てないから。
勝負にこだわる担任に綱引きで優勝したら打ち上げの費用3万円を出すと言われた俺達は1組を倒すべく放課後残って練習することとなった。
体育委員の俺は先生に頼んで用具入れを開けてもらい、綱を受け取る。
そして練習が終わったらすぐ返す。
帰ったら疲れすぎて宿題はもちろん授業の復習なんてできたものじゃない。
のび太並に寝てるよ僕。
練習はきついけどクラスも団結してきて、未だに1組の相撲部先鋒、土州鯉(どすこい)くんを引くことはできないけど、それでも俺達は確実に力を付けていた。
いつの間にか教室には綱引き優勝て墨で上手に書かれた張り紙がしてあった。
ある日クラスの数学オタクが物理の公式がどうのって紙に絵を描いて腰を落としたほうがいいって説明してくれたのを俺達は鵜呑みにしてまたひたすら練習した。
ここまでくればもう勝つためならなんでもしてやるって感じね。
気がつけば全く勉強しないまま期末テスト1週間前を迎えた。
そうなるとみんな勉強もやらないといけないよな。
クラスのみんながそっちを心配しはじめたから俺はホームルームで放課後の練習を続けるかたずねた。
みんな続けたいけど………って感じの空気の中で先生が練習時間は減らして放課後はみんなで教え合いながら勉強しようという案を出し、みんなはそれに満場一致で賛成した。
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