妄想ラジカル

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女の子のキャーキャーという声で向かえられ、秋夜と目が合った。 秋夜はにっこり微笑んで親指を立てた右拳を突き出した。 会話はなかったけど、さっきあんな展開を予想していたので、安心と喜びが一度に押し寄せてきて私は自然と笑顔になった。 私も秋夜にブイサインをした。 よかった。 そしてついに私たち2組にとっての山場、綱引きがやってきた。 トーナメント形式で行われ、その組み合わせはすでに発表されていた。 お約束だが、1組とは決勝までいかないと当たらない。 これもお約束だが私たちは対戦相手のクラスをバッタバッタとなぎ倒しあっという間に決勝まで勝ち上がった。 私たちは今までの練習を信じ全力をぶつけた。 1回目は土州鯉くんの力に負けてしまったが、2回目、3回目は私たちの絶対に勝つという気持ちが勝り、ついに念願の優勝を果たした。 「やったー!」 男子も女子も狂ったようにはしゃぎ回り怪我人も出ていたがそれでもみんなこの興奮を抑え切れないようだった。 「桐島さん、」 秋夜の声。 先に言っとくけど妄想オチじゃないよ。 「秋夜、やったね」 私の今の笑顔はいつもの100倍、やっぱ10倍くらいにしとくけど、とにかくいつつもの笑顔よりかわいい自信があった。 秋夜の額には汗が流れている。 そのやり遂げた顔に私は胸がときめいた。 「みんなのおかげだよ。打ち上げしような」 秋夜、かっこいい! 「うん!」 私は目一杯の笑顔で答えた。 私たちはしばらく何も言わずに見つめあっていたが友達の私を呼ぶ声が聞こえたので秋夜のもとを離れた。 秋夜も男友達のところへ。 ブロックは優勝できなかったけど、私にとって体育祭は最高の形で幕を閉じた。
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