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体育祭とテストですっかり忘れていたが、結は俺に気があるって話があるらしい。
でもメールアドレスすら聞かれないってことはやっぱり気がないのか？
いや、そんなんじゃないって吉田たちに言われて行き着いた結論は、
結はお高い人だから自分からメールアドレスなんて聞かない人だってこと。
面白いじゃないか。
最高のゲームだ。
俺はそのお高くお高くとまった結を絶対に俺の虜にして、自分から好きって言わせてやるんだ。
そして、そのためにもアドレスは絶対に自分からは聞かねぇ。
これは俺の意地だ。
でも早くメールしなきゃダメだよな。
将也だってメールしてるんだし。
実のところ結はかなりかわいいから他のクラスに隠れファンがいっぱいいて、
いやしくも俺も知らないメールアドレスを教えてくれという輩は多い。
結は優しいからさ、どんなにアウトなやつでも断らないわけ。
ふと、結を見るとみんなとは話さず下を向いて携帯を扱っていた。
まさか………メール？
ほら！ 今こうしてる間にも結の気持ちが他の男に傾いてるかもしれないんだ。
誰だ？ 誰とのメールだ？
この前手を振ってたブタゴリラとジャイアンを足して２で割ったみたいなやつか？
それとも昨日１００ｍ走の後結に軽々しくおめでとうとか言ってたブルドッグ顔か？
いきなり俺の脳裏にブルドッグ顔と結のキスシーンが浮かんだ。
「ブホッ…ゲホッゲホ……」
あまりの気持ち悪い光景に思わず口に運んだ酎ハイを吹き出してしまった。
「大丈夫か？」
テーブルに座っていたメンバーは会話を中断して一斉に俺を見て同時に笑いが起こった。
結も口をおさえながら笑っている。
ったく人の気も知らないで。
でもやっぱ笑ってる結はかわいい。
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