メルアド合戦

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それよりなんとかして結のメルアドを聞きたい。 マジであのブルドッグに結をとられたら話にならない。 もしそうなれば俺はゲームに負けるどころか男としての立場まで失っちまう。 そんなのイヤだ。 あいつには負けたくない。 って言ってもメールしてないって点で俺はすでに負けてるんだよな。 俺がどうやって結とメールする関係になるかを考えているといつの間にか打ち上げはお開きの時間になった。 みんなが店をでると2次会としてカラオケの話が持ち上がった。 何人かは参加しないらしく帰ってしまったが10人以上がカラオケに賛成しすぐに移動しはじめた。 「秋夜!」 結の声を聞いて俺はすぐに結を見た。 もはやパブロフの犬だね。 見ると結は顔を赤らめ足元がふらついている。 「飲みすぎちゃった、歩けない」 結はふらついた足でヒールをコツコツと鳴らせながら俺に近づき寄り掛かってきた。 「はぁはぁ、もう無理」 結はもう俺にすべてを委ねている状態だ。 結の体温を腕に感じる。 「結、大丈夫?」 「だいじょばない」 結の声は力がない。 そうとう弱ってるみたいだ。 俺はとりあえず結を立たせみんなに追い付くことを考えた。 あとは女子にまかせよう。 と思ったのもつかの間。 周りを見回すとクラスの連中はすでにどこかに消えていた。 おいおい、2人きりですか。 「しゅーやー」 結はまた俺に寄り掛かってきた。 シャンプーの甘い香りが漂ってくる。 「結、どうする?帰る?」 「うん、でも無理」 「じゃあどうするの?」 「秋夜送って」 えぇー!?
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