13188人が本棚に入れています
本棚に追加
/462ページ
さすがに俺が結を家まで送るってのは抵抗があるよ。
でも俺女子の連絡先は長谷川さんしか知らないし、長谷川さんはさっき帰ってしまったから女子に代わってもらうことはできないし。
男子に代わってもらうなんて論外。
こんな無防備な結をみたらたいていの男子は一線を越えてしまうに違いない。
でも俺だって一線を越えてしまうかもしれないし……
俺が周りを見渡すとピエロのキャラクターのハンバーガーショップが目に入った。
「結、とりあえずあそこで休もう」
結は何も言わずに頷いたので、俺は再び結を立たせて結が転ばないように気をつけながらハンバーガーショップに入った。
店員にコーヒーと水とスマイルを注文し、それを受け取ると結を壁際の席に座らせ俺も反対側に座った。
「はい、水」
俺が水を渡すと結はそれを少しだけ飲んだ。
「はぁ、ごめん秋夜」
「いやいや、それより大丈夫?」
「大丈夫。だいぶ楽になってきた」
結はまた水を少し飲んで、おもむろに携帯を開いた。
携帯のランプが赤く点滅してたので着信があったみたいだ。
「みんなとはぐれちゃったね」
結がもう一度水を飲んでから言った。
「うん、どうする?これから」
「せっかくだし、なんか話そ」
結は気分が回復したのか、笑顔で言った。
顔は赤かったけど結のその笑顔をみて安心した。
「いいけど何話すの?」
といいつつもこの2人きりの状況で俺が考えなければいけないのはただ一つ、
どうやって結のアドレスをゲットするかだ。
今がチャンスだから絶対に結に、
アドレス教えて
って言わせなきゃ。
あんなブタゴリラやブルドッグに負けてたまるか。
最初のコメントを投稿しよう!