告白したら負け

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*** 昔バトミントン部の先輩が言ってた。 恋は惚れさせたもの勝ちだって。 私は中学時代は完全に勝ち組。 自分で言うのもなんだけど中学では全校の男子に惚れさせたんだよ。 といっても特に努力なんてしてない。 ただみんなに優しくして、 ニコニコして、 謙虚でいれば勝手に男は惚れる。 性格が完璧にいい人間なんて全然いないからね。 性格をよくするだけで顔も心なしかよく見えるんだよ。 だから私は性格をよくしようとしてるだけ。 まぁ顔も自信あるけどね。 でも高校に上がってからは私は負け組になってしまった。 そう、私が惚れてしまったのだ。 そいつは入学式の日から堂々と遅刻してきた。 反則だよね。 そんなの注目してしまうに決まってるじゃん。 「早川秋夜くん」 って呼ばれたその人はその時に目が合って、 なんだか、すごいモテるオーラが出てた。 顔はちっちゃめ、でも目はくっきりしてる。 細めの眉毛がなんだか凛々しい。 髪は襟足がちょっと長いけど全体的に少し短めでスポーツマンって感じ。 目がキラキラしてる…… なんだか急に恥ずかしくなって目を逸らした。 「ハァ」 家に帰るとすぐにため息がもれた。 帰りのバスの中ではもう早川くんのことばかり考えてバス停を3つくらい乗り過ごした。 中学のとき一目惚れしましたって言って告白してきた人がいたな。 私は見た目より内面を気にするからそういう一目惚れなんてありえないと思ってたけど、 実際は性格を好きになった時よりも夢中になってる。
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