寂しがり屋

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ふと 蘇る昔の記憶 大好きだった真優 君は寂しがり屋だったね 今もまだ寂しがり屋なのかな? 俺と真優はメル友だった メル友でも親友と言えるほど仲が良かった 何かあれば電話やメールをした 真優に彼氏が出来たと聞いた時俺は心から祝福した でも 寂しさと悲しみがこみ上げてきた 俺はその時気づいた 自分は真優が好きだったのだと―… 俺はそれから寂しい日々を過ごした 真優はずっと彼氏ばかりでメールもあまり来なくなっていた でも 真優が幸せなら良いと思った 真優が彼氏を作って一週間が経った 深夜3時 普通なら寝ている時間だが、何か胸騒ぎがして俺は眠れなかった 暗い部屋にチカチカ光る俺の携帯 携帯を開くと真優からのメールだった 内容は彼氏がいきなり襲ってきて抵抗したら付き合ったのは遊びだったと言う悲しい内容だった 俺はただ電話して慰めるしかなかった 泣く真優を慰めて自分の想いを伝えてしまった 不意打ちと悲しみに漬け込んだ自分がとても醜く見えた でも 自分でも何故伝えたかわからなかった 勝手に口が動いていた 初めて聞く真実に真優はビックリしていた 二人の間に流れる静かな時 やがて真優が口を開いた 『和巳と付き合ったら幸せだろうね 和巳と付き合いたかった…』 冷静に話した真優 俺は普通に 『だったらつき合おう 俺は真優が好きだ 絶対泣かしたりしない』 また 勝手に口が動く 言いたくないのに口が止まらない 真優は泣きながら 『ぅん…』 と言った 俺は幸せを感じた それから少し真優を落ち着かせる為に話した 真優が落ち着いた時はもう夜が明けていた 真優は疲れたと言って眠ってしまった 俺も少し経ったら眠った 何時間寝たんだろうか 外はもう暗かった 目が覚めたら携帯に何件かメールが来ていた その中に真優が居た 『夜中はごめんね やっぱり和巳とは付き合えない ごめんね… 和巳、さようなら』 メールを返信したくてもメアドが変わっていて返信出来なかった 番号も着信拒否されて電話も出来なかった 真優は寂しがり屋だから俺で紛らわそうとしたんだね 少しでも楽になったのなら俺は良いよ 君はウサギのような寂しがり屋サンだからな さようなら 真優―…  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 寂しがり屋 終わり
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