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雪の母「あのね、私もさっき先生から聞いたとこなんやけど……
雪ね、
後………3ヶ月しか生きられないの………」
『は?』
俺はそれしか言葉が出なかった。
いきなり倒れて、病院に運ばれたと思えば、後3ヶ月しか生きられないと告げられる。
正直、冗談だと思った。
いや、思いたかった。
雪の母「びっくりでしょ?
私も……まだ信じられないわ」
今にも泣き出しそうな声で、おばちゃんは言った。
ハンカチを握り締めている手が、震えてるのが分かった。
『雪は…
雪は知ってるんですか?』
そう言い終わった俺は、自分も震えてる事に気付いた。
雪の母「ううん
言ってないわ。
あのね、雪の病気は、体の筋肉がだんだん機能しなくなって、最後には体が動かなくなって…
死んでしまう病気なの。」
最後の言葉を、おばちゃんは力強く言った。
雪の母「だから雪には、成長による軽い病気だと言ってあるの。」
おばちゃんは、とうとう涙を流してしまった。
『そう…なんですか。』
雪の母「それでね、夏也君にお願いがあるの」
『なんですか?
俺にできることなら、なんでもします!
できないことでも、できるようにします!』
俺はついおばちゃんの震える手を握り締めてしまった。
それを見て、おばちゃんは微笑んだ。
雪の母「ありがとう。
あのね、雪が…
雪が息を引き取るまで、一緒にいてあげてほしいの。」
『え?』
雪の母「だめ…かしら?」
『いや!
全然いいです!
むしろ…
雪に俺と一緒にいてくれるように頼みたいです。』
雪の母「夏也君……
ありがとう。
本当にありがとう。」
そう言って、俺に何度も頭を下げた。
『おばちゃん……。
頭あげてください。』
俺はそんなおばちゃんが見てられなかった。
また涙がたくさん溢れてきた。
俺が泣いてる場合なんかじゃないのに。
雪の母「あの、雪に
雪に逢っていってくれる?」
俺は、頭を縦に降った。
これ以上喋ると、大声を出して泣いてしまいそうだったから……。
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