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「……寒い!」
『だって冬やもん。
あたりまえや。
それに、俺だって寒い。』
俺の左横で真新しいピンクのマフラーを、鼻の上まで巻いている雪がさっきからこの調子で"寒い゛だの"手が冷える゛だの文句ばっかり言っている。
「う゛ぅ゛ー
夏也!あんたせっかく名前に夏が入ってるんやから、暖かくして!」
こうやってさっきから何回無茶振りをされているか…。
『お前の名前が"雪゛やからこんなに寒いんちゃう?笑』
「アホ!
そんな事ないし!」
そう言ってバシバシ俺の背中を叩いてくる、冗談も通じひんこの彼女が、俺は昔から好きなんです。
まぁ…当の本人は俺に恋愛感情を持ってないんですけどね。
それも無理ないか…
だって俺らは
『家族以上みたいな関係やしなぁ……
はぁ…』
「え?
なんか言った?」
『…なんでもないです。』
こんなところも全部含めて、大好きなんです。
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