6人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「あーもう!
寒いー寒いー寒いよー」
そんなに言うから余計寒くなるんやって言いたいけど…
また叩かれるから黙っとこう。
『そんなに寒いんやったら…
はい。』
そうやって俺は、自分のコートの左ポケットに彼女の右手を突っ込んで、その中で手を繋いだ。
「…暖かい~
さすが夏也やな!」
ぱっちりした大きな目を細めて笑う君を、また好きになる。
『お前が寒い寒いうるさいからや。』
……嘘です。
俺は、彼女と手が繋ぎたかっただけ。
こうゆう時は寒いのっていいなって思う。
そのおかげで、俺はこうして彼女と繋がることができるから。
最初のコメントを投稿しよう!