No.1

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  「あーもう! 寒いー寒いー寒いよー」     そんなに言うから余計寒くなるんやって言いたいけど… また叩かれるから黙っとこう。     『そんなに寒いんやったら…  はい。』     そうやって俺は、自分のコートの左ポケットに彼女の右手を突っ込んで、その中で手を繋いだ。     「…暖かい~ さすが夏也やな!」     ぱっちりした大きな目を細めて笑う君を、また好きになる。     『お前が寒い寒いうるさいからや。』     ……嘘です。 俺は、彼女と手が繋ぎたかっただけ。 こうゆう時は寒いのっていいなって思う。   そのおかげで、俺はこうして彼女と繋がることができるから。    
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