6人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
その日の夜、俺は夢をみた。
雪が降ったばかりの地面を、二人で手をつないで真っ直ぐ歩いている。
まるで、おろしたての雪の絨毯みたいや。
君は本当に楽しそうに笑っている。
二人で足跡をつけながら歩いていくと、だんだんと雪の手の力が弱まっていった。
俺は必死に二人の手がはずれないように力を強めたけど、とうとう手が離れてしまった。
その瞬間、さっきまで真っ白だった地面が、いつもの落ち葉だらけの地面になり、雪のピンクのマフラーだけが、俺の横に虚しく残されていた。
俺は彼女を探しまくった。
いつも学校帰りによっていた駄菓子屋…
暇があれば行っていたゲームセンター…
雪がお気に入りだった橋の上…
それでも、彼女はいなかった。
最後になぜか俺は、病院の前にいた。
そして、看護婦さんに202と書かれた部屋に案内された。
ドアを開けるとそこには…ー。
…そこには?
なんでやろう。
なにがあったのか思い出せない。
思い出すかわりに、起きた時俺の頬には、涙で濡れていた。
最初のコメントを投稿しよう!