30人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
ここは何処だろう。
教科書で見た神殿によく似ていると思った。
白い大きな柱が二列にならんでいて道みたいに続いている。
見知らぬ女の人はその行き着いた所、赤い絨毯の上で途方もなく座っていた。
手には手錠。足には足枷。
長い髪が地面で広がる。
濡れたような黒髪があまりにも美しくて、顔は俯いて見えないがきっと綺麗な人なんだろうと思った。
胸の開いた丈の長い着物のようなものを着ている。
――ギィィ
柱道に続いていた扉が開いた。
入ってきたのは男だ。
金色の髪に蒼い目が端正な顔に似合っている。
『よく眠れましたか?姫』
『……眠れる訳ないわ。こんなことをして何がしたいのよ…』
『ふふ。こうしたいのですよ、愛しい我が君』
男は女の胸元をさらにはだけさせる。
『――っ!やめて!!いや…!助けて!』
男は女の美しい胸を現わにさせ貪る。
抵抗するも女は枷により身動きができない。
男はついに女の全てのものを剥ぎ取った。
『お願い…やめて…私が私である価値がなくなるわ…もう私はどこにも…』
『必要とされなければいいでしょう。あなたは私だけを見ていればいい』
男はそうして……
『いや!いやああぁぁぁっ!』
辺り一帯にまばゆい線光が走った。
最初のコメントを投稿しよう!