第二章/100人目の涙

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『陽向山病院』     白い建物の脇に、小さく申し訳なさそうに書かれている。   僕は、人間が発する言葉の意味はわかるけど、文字は全く読めない。     ここは少女の家なんだろうか。   回りの塀には草がぼーぼーに生い茂っていて、だけどなんだか汚い感じはなかった。小花もチョウチョも楽しそうに踊ってる。        ……よし決めた。     最後の100人目はあのこにしよう。最後が簡単じゃやりがいがないし。   絶対にあのこを泣かせてやるんだ!         僕は砂利道を進み、建物の塀に飛び移った。
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