一章

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家に招かれた葉月は、まずはじい様に会ってくれと昌浩に言われ、昌浩の祖父である安倍晴明の前で、座っている。周りには姿は見せていないが神気が4つ。 「私は昌浩の祖父、安倍晴明と申します。先ほどはうちのものがご迷惑をおかけしたみたいで。」 「いや、こちらこそ、ここへしばらくお世話になるので、ご迷惑をおかけします。私は蓬莱葉月といいます。」 「では葉月殿、ゆっくりおくつろぎください。」 「ありがとうございます。お世話になります。」 葉月は、部屋を後にし、自分にあてがわれた部屋へ行った。 「――晴明、あいつは俺たちのことに気づいてたぞ。」 晴明は珍しいと思った。普段は寡黙な神将が口を出してきたからだ。 「あぁ、わしも気づいておったよ。さてさて、神将が穏形していたのにも関わらず、見える程の見鬼の才を持つ。いったい何者何だろうな。」
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