一章

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途端に、雑鬼たちは騒ぎだした。 『そうだそうだ』 『またおっかねえのが出たんだよ。』 『それを心優しい俺たちが』 『教えてやろうと思って』 「おっかないもの?一体何だ?」 思案を始めた昌浩にもっくんは恐る恐る言った。 「あのぅ、昌浩くん・・・そろそろその雑鬼たちから脱け出したらどうでしょうか?」 昌浩は、目をぱちくりっと見開き、自分の状況を忘れていたらしく、雑鬼たちに向かって怒った。 「お前らいい加減に俺から離れろ―――!」 言うまでもなく、昌浩の声は都中に響いた。
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