一章

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同じ頃、人影が、強い邪気を放つ場所へたどり着いた。 「ようやく見つけた。よくも逃げ回ってくれたな。」 葉月は、2,3日の間に何度か出くわしていたのだが、逃げられていたのであった。 「もう逃がさないから覚悟しなよ?」 牛の妖もずっと追いかけられていたことに腹をたてていたのか今夜は、向き合う形になり戦闘体勢になった。 「おっ!やっと戦う意思を見せてくれた?いい加減、イライラしていたところだったんだよね。いつも逃げるからさ。」 葉月が、そう言っている間に妖は、突進してきた。 「ちょっと、お前が散々逃げ回っていたのに、不意討ちか?」 しかし、葉月はひらっと涼しい顔でかわし、真言を唱えた。 「オン デイバ ヤキシャ バンダ バンダ カカカ ソワカ」 真言が完成した途端に、妖は閃光を放ち砕け散る。 「へっ????まさかまさか終わり?2,3日振り回された結果が、こんなに呆気なく?」 拍子抜けした葉月は、崩れそうになるが持ちこたえた。 「結構強い邪気だと思ったから、弱い術から段々強くしようと思ってたんだけどな・・・。」 その時、遠くから人が走ってくる。側には神気もうっすらと感じられるが。
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