#1「F1」

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「…ここです。それでは私はここで…」 従業員はそのまま元来た路を一人戻っていった。 「おっかしいなぁ」 首を傾げる原川の前には、薄暗さの中にひっそりと佇むエレベーターがあった。 見るからに動いていないと分かる。 原川は上ボタンを押すが、点灯することはなかった。 「どうしろっていうんだ、僕に…。動かないんじゃ誰も乗れないでしょうに。はぁ…」 しっかりと閉まったエレベーター。 1階から屋上までのパネルも点灯はしていない。 原川は一人頭を悩ませた。
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