永遠の片思い

2/15
前へ
/140ページ
次へ
わたしの名前は、檜山ひやま朝日あさひ。 朝日っていう名前は、お母さんがつけてくれた名前。 朝日が病院の窓から差してきたとき、生まれてきたから、『朝日』って名づけたんだって。単純だなって思う。 その点、太陽くんは、 名前にぴったりあった人。 明るくて、誰からも愛されてて、男女問わず仲がよくて、やさしくて。太陽みたいな笑顔と、小動物のような円らな瞳が特徴。 その点わたしは、笑っても、冴えない顔をしていて、鼻のあたりはニキビだらけで。見るに絶えない顔。 名前は朝日と太陽でぴったりだと思うのに、顔が釣り合ってない。 スタイルだって、悪い。 小学生に間違われたことさえある。もう中学3年生を卒業するというのにだ。 いいところが一つもない。 しいて言えばお勉強が取り得。将来は自慢できることかもしれないけど、今はお勉強より、女の子として、どうあるべきか、っていうことが重要な気がする。 周りのかわいい女の子たちを見て、激しく落ち込む。 なんでわたしはこんなに 可愛くないんだろうって。 そう思うようになったのもきっと、恋をしたからなのかもしれない。小学校6年生の頃から、わたしは太陽くんに恋している。進展などあるはずもない、片思い。 でも、見てるだけでいいんだ。一生見てるだけで、それで満足、なんだ。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

251人が本棚に入れています
本棚に追加