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目的の書物館の前までやって来た。
れん「…大きい…」
書物館は大きく、どこか威圧感を感じる。
古い石造りの建物は、
恐らくあの旅館よりも古いのだろう。
霧生「国立だからな。見栄張ってこんなモンを作ったんだ。だが、書物の量は悪くない。」
そう言って、中へ入っていく。
中には、れんの想像以上に人が沢山いた。
本棚も、見た事の無い程ずらりと並んでいる。
本棚の列に果てが無いのではないだろうか、
とさえ感じられた。
目当ての本がどこにあるか分かっているのか、
霧生は迷わず奥へ進んでいく。
奥の方は人気が無かった。
霧生は辺りを見回し、右へと曲がった。
目当ての本棚の元へと辿り着いたのか、
笠を脱ぐと本を探し始めた。
何か本を取ってはパラパラとめくり、
棚へ戻すということを繰り返す。
れん「……。」
暫くすると、
霧生は何かを見つけたらしく、
手に取った本をじっくりと読み始めた。
霧生「…これだ。」
そう呟くと、
霧生はれんにその本を手渡した。
霧生「持って帰って宿でゆっくり読むとしよう。」
れん「…持って帰っても大丈夫、なんですか?」
小さな声でれんが言った。
霧生「少しくらい構わないさ。」
二人は宿へ帰り、
霧生は机の上に本を置いた。
霧生「…この本は、この世に存在する一族について書かれている。」
れん「一族?」
霧生「少数民族だとか、今の所確認できている一族の事が色々と書かれている。」
霧生はその本をパラパラとめくり、
とあるページを読み始めた。
霧生「世界三大一族について。
世界三大一族とは、普通の人間とは違い、秀でた力を持つ特別な一族である。数は限られているが、一人でもいると人間何百人もの力になる者もいる。ゴウガ族、ミャウ族、ヤツハ族がそれである。」
霧生はまたページを少しめくり、
再び読み始めた。
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