第1章 第2話

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目的の書物館の前までやって来た。 れん「…大きい…」 書物館は大きく、どこか威圧感を感じる。 古い石造りの建物は、 恐らくあの旅館よりも古いのだろう。 霧生「国立だからな。見栄張ってこんなモンを作ったんだ。だが、書物の量は悪くない。」 そう言って、中へ入っていく。 中には、れんの想像以上に人が沢山いた。 本棚も、見た事の無い程ずらりと並んでいる。 本棚の列に果てが無いのではないだろうか、 とさえ感じられた。 目当ての本がどこにあるか分かっているのか、 霧生は迷わず奥へ進んでいく。 奥の方は人気が無かった。 霧生は辺りを見回し、右へと曲がった。 目当ての本棚の元へと辿り着いたのか、 笠を脱ぐと本を探し始めた。 何か本を取ってはパラパラとめくり、 棚へ戻すということを繰り返す。 れん「……。」 暫くすると、 霧生は何かを見つけたらしく、 手に取った本をじっくりと読み始めた。 霧生「…これだ。」 そう呟くと、 霧生はれんにその本を手渡した。 霧生「持って帰って宿でゆっくり読むとしよう。」 れん「…持って帰っても大丈夫、なんですか?」 小さな声でれんが言った。 霧生「少しくらい構わないさ。」 二人は宿へ帰り、 霧生は机の上に本を置いた。 霧生「…この本は、この世に存在する一族について書かれている。」 れん「一族?」 霧生「少数民族だとか、今の所確認できている一族の事が色々と書かれている。」 霧生はその本をパラパラとめくり、 とあるページを読み始めた。 霧生「世界三大一族について。 世界三大一族とは、普通の人間とは違い、秀でた力を持つ特別な一族である。数は限られているが、一人でもいると人間何百人もの力になる者もいる。ゴウガ族、ミャウ族、ヤツハ族がそれである。」 霧生はまたページを少しめくり、 再び読み始めた。
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