序章

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「私がいる理由は何?」 ただそんなことを考える。 「私は、ここにいてはいけない?」 だが何故だか、 死んでしまいたいとは思わなかった。 邪魔にされても、 酷く扱われても、 罵られても。 何故だろう。 特別生きていたいと 思ったわけでもないけれど、 「死」という文字が 頭に浮かぶ事も無かった。 「お前」「捨て子」「タダ飯食らい」と呼ばれ、 毎日がただなんとなく過ぎていた。
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