始まりは誕生祭

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「お誕生日おめでとうございます!」  ファンファーレに大衆の大喝采。華やかな舞台。十五歳になった王子は、しかめっ面で手を振る。百段はあるかという階段に敷かれた赤絨毯。王子はその先に立っており、国民がよく見えず目をこらしているので、そんな表情になっていた。 「いやーめでたい」  どんちゃん騒ぎがお気に召したのか、調子のいい王様が椅子から立ち上がる。 「わしからもプレゼントじゃー」  ふぉっふぉっふぉっ。大口を開けて笑いながら、 「王様ビーム!」  両手をくっつけ、まっすぐ王子に向けて伸ばした。まばゆい光線が王子の背中を直撃する。 ――王様ビームって、お前は何歳だよ。  うさんくさい目で王を振り返った王子は、聞こえるようにため息をつく。特に体に変化もないことから、プレゼントなるものは民衆を楽しませるものだったのだろう。いちいち面倒な人である。 「あとは結婚だな」  王様の言葉に、大衆が沸いた。
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