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悩んでいると、ドアがノックされた。
「王子」
従者の声。
「入れ」
「な、なんですかその格好は!」
ドアが開くと同時に悲鳴にも似た声。
「急に大きな声を出すな」
耳がキンキンする。王子は肩をすくめた。
「失礼しました、しかし……」
王子の全身をじっくりと見る。どこにあったのか、白地にカラフルなドットをあしらったサテンのトップス。ボトムスは怪しい赤のかぼちゃパンツだ。趣味が悪いし、これは……
「それでは道化師ですよ」
せっかくの可愛い顔も台無しだ。従者は開いたままになっていた王子のクローゼットから、無難な黒いTシャツとグレーのハーフパンツを取り出す。
「これに着替えてください」
「結構いいと思うんだが」
不満そうな王子を一蹴する。
「かなり悪いです」
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