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ガチャ
自宅のドアを開け
「ただいま」と真っ暗な廊下に向かってつぶやく。
はあ、、来てるわけないよな。
映画の宣伝やら舞台やらツアーやらで最近いっきに忙しくなったかず。
ツアーのリハーサルで会うことも多いが
顔色が良くないことが多くて
ああ、きっと寝不足なんだろうな…
と心配で気がきでない。
かずが努力家なのは分かってるけど
ちょっと頑張りすぎる所がある。
弱音を吐いたり
弱みを見せたり
甘えるのが苦手なようで
全部ひとりで抱えこんでがむしゃらに前を向いて突っ走るんだけど
自分でも気づかないうちに辛さはどんどん積もっていて
知らず知らずのうちに限界に達していた…
なんてことがたまにある。
かずはそれを全部無自覚でやるからこわいんだよなー。
だからこんな時期には自宅でゆっくり休んでほしいと思ってるんだけど
真っ暗な部屋を見て無意識に大きなため息をついてるってことは
きっと心のどこかで期待してたんだろうな。
まったく…
オレも相当矛盾してる。
いや、矛盾ってゆうよりは多分…
こんな時期だからこそ、いてほしいんだ。
オレを少しくらい頼ってほしいなあ…
なんて。
→つづく
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