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そんなことを考えていると
どうやら泣きやんだらしく、肩の揺れが止まった。
「じん…ごめん」
鼻声混じりの小さな声が聞こえた。
耳が少し赤いところを見るときっと今、
オレかっこ悪いとか思って恥ずかしいんだろうな。
ふふ…
それでもわざわざオレの部屋のベッドまで来て泣いてくれたんだと思うと
どうしようもなく嬉しくて
自然と笑みがこぼれる。
きっとまだ顔を見られるのは嫌だろうから
その恥ずかしそうに丸まった背中向かって
出来る限り甘い声でささやくことにした。
「かず、オレはかずの味方だよ。
たとえ世界中を敵に回したとしても
オレだけはかずの味方でいる。
かずが頑張ってること、ちゃんと知ってるから。」
一瞬の沈黙の後
ゆっくりとこちら側に体を向けたかずの顔は
真っ赤に染まっていた。
そして、きっとオレの顔も今、
同じ色に染まっている…
→つづく
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