第四章

4/14
339人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
鏡のなかから出てきたのは翠星石…… だが、その手にはにつかわない……… いや、漫画のイメージがあるからにつかわないだけだ。 実際似合う。 両手にベレッタのコピーモデルであろう、タウルス PT92が握られていた。 タウルスPT92! ブラジルのタウルス社がライセンス生産した、名銃M92Fのコピーモデルである、セミオートマチックピストル。 ノーマルのM92Fより全長が長く、それでいて特徴に、左サイドに取り付けられ、ちょうどガバメントとおなじいちにある、セーフティであろう。 それにより、この銃はセーフティを動かしたあと、すぐさま射撃に入れる位置に親指が行き、素早い抜き撃ちが行え、ガバメントに慣れ親しんだ、人たちに扱いやすい素晴らしい銃となって 「うるせーですっ!さっさとローザミスティカをヨコスですぅ!!銃声の心配はいらないのです!そういう仕様なのです!」 「うぉっ!」 「きゃっ!?」 「ーッ?」 ガンガンガンガンガンガン 宙をまい、跳ね回る薬莢と、無骨な死の雰囲気を漂わせるタウルスの銃口から、吐き出されるいくつもの弾丸。 「何変な解説してるのじゃ!死ぬんでしまうぞ!?」 「は!?しまった」 ちょっと分厚いタンスに身を隠していたが、このままでは危ないことに気が付く。 ここは、こうだ! 「てりゃ!」 俺はまず、そこのテーブルをぶっ倒し…… 「!?」 翠星石が気付いて、銃口を向けるが、 「水銀燈!、虹琥珀!」 「え!?ちょ、リョウ!?」 「ど、どうするのじゃ!?」 俺はいち早く2人を脇に抱き抱え、一気にドアヘと走り抜く。 ガンガンガンガン 翠星石が遅れて右手のタウルスを連射するが、腕を自分の体の方向に動かす運動の反対の行動は、腋がしまらず、射撃が安定しない。 こちらの方に向かってきそうな弾丸も、倒されたテーブルに止められ、届かない。 「チッですぅ!」 翠星石はホールドオープンしたタウルスを床に投げ捨て、俺達が出ていったドアを見据えた。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!