第二章

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「当たり前であろう?ほれ」 そう言うと、虹琥珀は胸に手を当てる。 すると、辺りが眩い閃光に包まれる。 目が眩む程だ。 その光の中から、一つ、宝石の様なものが見える。 あれがローザミスティカなのか……と俺は思った。 だが、何か違和感がある。漫画や、アニメで見た物より小さく、そして、回りに小さな破片が浮いている。 そして、何より…… そう思ったとき、辺りの光は消え、ローザミスティカもしまわれていた。 「も、もうおしまいじゃ、ところで、のどが渇いた。お茶持ってこい!」 「お、おい!話しはまだ終わっ!?……」 別段、驚いた訳ではない。ただ、喋れなくなった。 ただ、と言うのも変だが、言いたい事は山ほどあるのだが、口を塞がれたように……って塞がれた……!? 「五月蝿いのじゃぞ!?それより、さっきからお前はわしに対して、おいだのお前だの、下僕がそんな口きいていいと思っておるのか?その口、永遠に封じてやるわ?」 「んー!んー!」 『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!』 俺は千回言う勢いで口は動かないが、懇願した。 「ま、いいじゃろ、さぁ、さっさと茶煎れて来るんじゃ!!」 「っ!ふはっ…………わ、わかった」 「わかりました、だ」 「わ、わかりました……」 俺は急ぎ足でキッチンへと向かった。 こいつは、やっぱりとんでもないやつなのかも知れない……
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