第一章

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次の日。 「学校めんどくせー」 まぁ、いつもの事だ。 「兄さん!学校行かなきゃだめだよ!」 「あー?俺は義務学じゃねーからいーんだよ。」 「そんな事いって、単位取れなくなっても、知らんないよ!」 「うっせぇなぁ!!いつもいつも!」 廊下が静かになる。 どうやら、行ってしまったらしい。 家には今、リョウとミウしか住んでいない。 2人の両親はすでに死んでいる。 そして、2人には、この屋敷のようにでかい家だけが残された。 でかいこの家に2人ですむには、少々気が引けるが…… だが、リョウにとって、いいこともある。 「さて、今日も、漁るか」 この家には沢山の物置がある。 そして、そこには、昔、両親が趣味で集めていた、アンティークが沢山ある。 そして、たまに、人形もある。 それがあるから、ローゼンも…と思ってしまうのだろうか?無いことはとうに解っているし、もう何度も探した。 でも、探してしまうのは、彼の心の何処かでは、ローゼンが無いことを否定しているからかもしれない。
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