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リョウは一気に自分の心臓が高鳴るのを感じた。
だが、鞄のデザインが違うのが、解った。
どことなく、日本風なその鞄。
だが、その日本風な装飾に合わず、鞄のてっぺんについた、薔薇がもっとリョウの心を高ぶらせた。
リョウは鞄を両手で抱き抱え、広い屋敷のような家の中を、一気に自分の部屋まで駆け抜けた。
部屋についた。
鍵をかける。
「はぁ…はぁ………ッ」
リョウは静かに鞄を置くと、息を落ち着かせ、ゆっくりと、鞄を開く。
緊張で、指が震える。
ようやく、取っ手に触れられた。
そこに寝ていたのは、七色に輝く薔薇の刺繍が入った、白い着物をきて、黒い長髪で、後ろに薔薇の釵が刺さり、そして、一番気になる、頭に狐のような、耳が生えて、尻尾もある、見たことがないドールだった。
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