第一章

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逸る気持ちと裏腹に、ゆっくり、ゆっくりと螺穴にちかずける。 カチ はまった。 「ーッ!」 緊張で、死にそうだ。 だが、腕は止まらない。 巻く。 一回…… 二回…… 「うわっ!!」 そして、リョウが、何度も漫画で読み、何度もアニメで見た、そのシーンが今、目の前で起こった。 人形が浮かび上がり、キリキリと、自動で螺が巻かれて行く。 その、言葉では表せないその美しさで、リョウは目で追うことしか出来なかった。 そして、目が開く。 口が開く。 「私は、ローゼンメイデン第8ドール……虹琥珀……」
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