339人が本棚に入れています
本棚に追加
逸る気持ちと裏腹に、ゆっくり、ゆっくりと螺穴にちかずける。
カチ
はまった。
「ーッ!」
緊張で、死にそうだ。
だが、腕は止まらない。
巻く。
一回……
二回……
「うわっ!!」
そして、リョウが、何度も漫画で読み、何度もアニメで見た、そのシーンが今、目の前で起こった。
人形が浮かび上がり、キリキリと、自動で螺が巻かれて行く。
その、言葉では表せないその美しさで、リョウは目で追うことしか出来なかった。
そして、目が開く。
口が開く。
「私は、ローゼンメイデン第8ドール……虹琥珀……」
最初のコメントを投稿しよう!