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何故なんだろう……。
みんながおかしすぎる…。
私は部屋に戻り、説明書をもう一度読んだ…。
『やっぱり他の香水と変わらないわ…。ただ記憶が操れるだけ……。』
どこを見ても香水とか電化製品なんかにある説明書。
変わったとこなど一つもない。
パフユームはあと一回ぐらいで無くなってしまう。
慎重に使わなきゃ…。
お父さんが帰ってきて、また怒鳴られる。もううんざりよ!
その日は夕飯も食べないまま、寝てしまった。
次の日の朝。
なんだろう。頭がガンガンする。
凄く…痛いっ……!
今、制服のポケットにはパフユームが入っている。
お母さんに捨ててくると嘘をついて、学校に持って行く。
必要なとき、使うために……。
後ろからパタパタと走ってくる音が聞こえる。
振り返るとそこには恵美がいた。
もしかしてパフユームが効いたのかな?
『恵美…おは………』
声をかけようとしたら、私なんて眼中になかったように通っていった。
恵美…?笑顔だったのに…。
『ごめんね!遅くなっちゃって…。昨日の夜、麗子から苦情の電話きてて、夜更かししちゃったから…。』
なんのこと?!
私、恵美に電話なんてしてないっ!
昨日はすぐ寝ちゃったし…。
『まじかよ!とことんウザイ女だな!麗子って。俺が好きってことは知ってたけど…。まさかそんな風になるなんてな。相談して、俺の気持ちを分かってくれれば、諦めると思ったんだけど、結局無視するし。』
『私もこの頃麗子がわからないよ…。長年親友だったけど…こんなの初めてだよ…。麗子が怖いっ…!』
麗子の隣には章吾がいる。
まるで二人は付き合ってるみたい…。
なんで?私と章吾はデートまでしたのよっ?付き合ってるのは私…私が彼女のハズなのにっ…!
『麗子が来る前に早く学校行こうぜ。来たら何されっかわかんねーし。』
『うん…』
二人は走って学校に行った。
なんで?おかしいよ!!
これは夢…?そう!夢なんだ!
私はホッペタをつねった。
あれ?痛い。
夢じゃ…ない…の…?
バックで頭を叩いたり、手を叩いてみる。でも…やっぱり痛い。
『なんでっ!夢じゃないのっ!?私はパフユームで皆の記憶を操ってたんじゃないの?!』
こんなの忘れたい。
私はパフユームを取り出し、自分にかけた。
この記憶……消えてっ……!
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