パフユーム

8/11
前へ
/17ページ
次へ
何故なんだろう……。 みんながおかしすぎる…。 私は部屋に戻り、説明書をもう一度読んだ…。 『やっぱり他の香水と変わらないわ…。ただ記憶が操れるだけ……。』 どこを見ても香水とか電化製品なんかにある説明書。 変わったとこなど一つもない。 パフユームはあと一回ぐらいで無くなってしまう。 慎重に使わなきゃ…。 お父さんが帰ってきて、また怒鳴られる。もううんざりよ! その日は夕飯も食べないまま、寝てしまった。 次の日の朝。 なんだろう。頭がガンガンする。 凄く…痛いっ……! 今、制服のポケットにはパフユームが入っている。 お母さんに捨ててくると嘘をついて、学校に持って行く。 必要なとき、使うために……。 後ろからパタパタと走ってくる音が聞こえる。 振り返るとそこには恵美がいた。 もしかしてパフユームが効いたのかな? 『恵美…おは………』 声をかけようとしたら、私なんて眼中になかったように通っていった。 恵美…?笑顔だったのに…。 『ごめんね!遅くなっちゃって…。昨日の夜、麗子から苦情の電話きてて、夜更かししちゃったから…。』 なんのこと?! 私、恵美に電話なんてしてないっ! 昨日はすぐ寝ちゃったし…。 『まじかよ!とことんウザイ女だな!麗子って。俺が好きってことは知ってたけど…。まさかそんな風になるなんてな。相談して、俺の気持ちを分かってくれれば、諦めると思ったんだけど、結局無視するし。』 『私もこの頃麗子がわからないよ…。長年親友だったけど…こんなの初めてだよ…。麗子が怖いっ…!』 麗子の隣には章吾がいる。 まるで二人は付き合ってるみたい…。 なんで?私と章吾はデートまでしたのよっ?付き合ってるのは私…私が彼女のハズなのにっ…! 『麗子が来る前に早く学校行こうぜ。来たら何されっかわかんねーし。』 『うん…』 二人は走って学校に行った。 なんで?おかしいよ!! これは夢…?そう!夢なんだ! 私はホッペタをつねった。 あれ?痛い。 夢じゃ…ない…の…? バックで頭を叩いたり、手を叩いてみる。でも…やっぱり痛い。 『なんでっ!夢じゃないのっ!?私はパフユームで皆の記憶を操ってたんじゃないの?!』 こんなの忘れたい。 私はパフユームを取り出し、自分にかけた。 この記憶……消えてっ……!
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加