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幸いにも、入院まではいかなく、少し安静に…ということだった。
私は家に帰った。
美弥子はどうしてあんなことをしたのだろう。
クラスの皆だって…………。
私は今までいじめはいじめるほうが悪いと思っていた。
…いじめられるほうも悪いのかなぁ………。
『綾音…今頃になって綾音の苦しさがわかったよ……。』
私は何故か涙を流していた…。
こんな苦しみから綾音を助けられなかったことが凄く嫌で腹がたった。
今頃気付くなんておそい…。
綾音が自殺することを分かっていれば、私は助けてあげられたかもしれないのに……。
私は綾音のことを思い出し、綾音との思い出がたくさん詰まったある箱を取り出した。
『綾音との思い出は全部このなかに…』
私は綾音が死んだあと、綾音との思い出を忘れないように、綾音からのプレゼントなどは、この箱にしまっていた。
パカッ………………
『なつかしいなぁ…。これは綾音と遊園地にいったときの写真…。こっちは綾音からの誕生日プレゼント…。』
いろいろ探っているうちに、あるものを見つけた。
『このノートは…綾音がクリスマスにくれたもの…。』
私は去年のクリスマス、日記を書き始めると張り切っていた。
だから綾音がノートをプレゼントしてくれたんだ……。
せっかく綾音がプレゼントしてくれたのに、日記なんて書いてない。
『綾音に悪いもんね。今からでも書こう。今から…。』
私は箱をかたずけ、机に向かい、日記を書き始めた。
―〇月×日―
今日はまた美弥子にいじめられた。
今度のは、とてもひどかった。
トイレの雑巾を口にいれるなんて…。
先生が来てくれたから、口には入らなかったものの、私を押さえつけていた女子に投げ飛ばされ、机の角に頭をぶつけた。私は病院に連れていかれ、個室でねていた。幸い入院はなかった。
でも綾音の苦しみがわかった。
ごめんね…綾音…私何もしてあげられなかったね。
ごめんね。綾音……。
私は大泣きしていた。
日記を閉じ、私は泣いた。
泣いても泣いても、綾音に伝わらない。
謝りたいな……。話したいな……。
もう出来ないことをしたいとやりたいと思いながら泣いた。
『今日はもう寝るか…。夢のなかでいっぱい綾音と話さなきゃ……』
でも、そのとき私はかすかな視線を感じていた。
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