パフユーム

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~パフユーム。=香水のこと。~ 私、奥永 麗子(オクナガ レイコ)には好きなひとがいる。 でも彼は私の友人が好き。 漫画でもありそうな話。 友情と愛のどちらをとるか。 私は友情派だがライバルとしてたまにはぶつかるのも悪く無いと思う。 でも友情が壊れるのは嫌だ。 友人の恵美は幼稚園からの付き合い。 高校になった今も、仲良しでいる。 ある日のこと。 『麗子…相談があるんだけど…』 そう言ってきたのは私が好きな人。 それと同時に友人を好きな、 青山 章吾(アオヤマ ショウゴ)。 『なに?』 『あのさ…俺…麗子の親友の恵美が好きなんだ…だけどイマイチ告れなくて…。良かったら相談にのってくれないか………?』 私に相談…頼ってくれたと思ったのに。 そんな事相談するの? しかも私に? 確かに恵美は私以外友達はいない。 周りの女子からは 『きどってる』とか 『ぶりっ子野郎』とか言われてる。 頭もよくスポーツ万能。おまけにスタイルがよく、一緒に遊んでいても、モデルにスカウトされたりしてる。 本当は素直で優しい子。 男子が好きになるのは解る気がする。 …でも章吾は…… 章吾は恵美なんか好きになってほしくない。 周りの女子と一緒かもしれないが やっぱり私を好きになってほしい。 私は相談を断った。 これ以上、恵美をどれだけ好きか知りたくない。 章吾はとても積極的で、いつも自分から話し掛ける。 周りのみんなは章吾が恵美を好きなことは知っている。 『…諦めるしかないのかな…』 相談を断った日の帰り道。 ふと、私は思った。 章吾が恵美を好きな事、忘れてくれたら……。 恵美という特別な存在を章吾から消せたら……。 その存在が私になったら…。 なんて叶わない夢。 空想の中でしか出来ないこと。 なんて思っている私の目に入ってきたのは一つの看板だった。 『記憶のパフユームありますぅ…?』 パフユームってなんだろう。 記憶がどうかしたのかな……。 少し気になったが、みたこと無い店だったから私は店に入らなかった…。 その時は……。
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