パフユーム

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その日は記憶のパフユームのことが頭から離れなかった。 記憶のパフユームってなんだろう。 一夜が明けた。 朝になり、いつも通り学校へ行く。 章吾…変なこと思ったかな…? なんて思ってたら 『麗子!おっはょ!一緒にいこ!話したい事あるし。』 話したいこと? 『あのね…私章吾君に告られたの…。』 今何て言った? 告られたですって? ありえない。信じない。 じゃあ昨日の相談はなんだったの? 恵美に好きな人がいないか聞きたかったの? そんな事好きな人に聞かれなきゃいけなかったの? 断って正解だった。 そんなこと相談されてたら今頃どうなってたか。 学校に行ったら男子が章吾が告ったと騒いでいた。 嘘だと思ったのに…… 章吾の特別な人が恵美になるの? 私がなりたかった存在に恵美がなるの? 恵美は絶対OKする。 章吾から恵美の存在がなくなれば…… 章吾が恵美との思い出を忘れたら…… 恵美の場所に私が入れたら…… そんな無理なこと…… !!! そうだ! あの記憶のパフユームだったら…… なんの効果があるかわからないけど…… 店の人に聞けばいい…… もし記憶を消せるなら… もし記憶を操るれるなら…… 私は帰りに記憶のパフユームを買うことにした。 何の効果でもいい。 記憶を…恵美の記憶を章吾から消せるなら…… 帰り道。店に急いだ。 カランカラン…… 『誰かいませんか?』 返事はない。仕方なく店から出ようと後ろを向いたら、 『何かご用ですか?』 !!!? ビックリした… さっきまで誰もいなかったのに… 気配もしなかった。 髪の長い綺麗な女性。 肌が異様に白い。 『あ…記憶のパフユームを買いに…』 『ならこちらにどうぞ』 店の奥に連れて行かれた。 『これが記憶のパフユームです』 女の人は白い箱を差し出した。 『この中に記憶のパフユームが入っています。説明書もありますからしっかり読んでから使って下さいね。』 女の人はお金はいらないといい、私にくれた。本当に払わなくてよかったのかな……。 家に帰り、箱を開ける。 そこには一枚の紙と瓶が入っていた。 これで章吾から恵美の存在を……!
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