パフユーム

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パフユームをお母さん達に見つかったらと、押し入れの中にしまった。隠した…でも正解だろう。 次の日。 私は走って学校に行った。 パフユームの効果を確かめるために…。 教室にいると、男子から話し掛けられているのに、何も返事をしない章吾が椅子に座っていた。 『おはよう。章吾』 私が話し掛けると、ニコッと不気味に笑って無表情に戻った。 なんかおかしくない? ちゃんと記憶消えてるのかな……。 『ちょっと麗子ぉ。先に行くなら言ってよぉ…。』 息を切らせて恵美が走ってきた。 すると男子が、 『ほら、章吾!愛しの恵美がやってきたぞぉ!!』 『馬鹿!からかわないでょっ!』 からかわれているのに、何の反応も示さない章吾。 やっぱりおかしいな……。 パフユームのせい? 『章吾君おはよう。』 恵美が話かける。 でも章吾は恵美と顔さえ合わさない。 『章吾君?どうしたの?』 返事はない。 恵美との記憶はないらしい。 でも…なんでこんなにおかしいんだ? いきなり章吾が立ち上がった。 私のほうへ歩いてくる…… 何?なんなのよっ! 『しょう………っ!』 『麗子おはよ。』 え…………? 『ごめんな…なんかボーッとしてて。』 もとに…戻った? 『や…やだなぁ!章吾君ったら!何かと思ったよぉ!』 恵美が章吾に話し掛ける。 『………誰?アンタ。』 『えっ………?』 本当に…恵美を忘れてる! やっぱりあのパフユーム凄いっ! なんて思っていると章吾が、 『なぁ、麗子。次はどこに行く?こないだ水族館だったから遊園地でもいこうか。』 『えっ………。章吾何言ってんの?』 周りのみんなが章吾に問う。 『何って…麗子とデートの話してんだよ。だって俺達付き合ってんだもん。』 えええぇっ!?付き合ってる!? 私と章吾が…? これもパフユームの力? 凄いっ!嬉しい! 私…章吾の彼女なんだ! ふと恵美をみると、 !!!!? 凄い目で私を睨んでる……。 いい気味だわ。 ついにやったんだ……! 恵美……ごめん…。 でも許してね……。
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