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あれから一週間が経った。
私は約束通り章吾と遊園地へ行った。
今私は毎日が幸せで、とても嬉しい。
周りから見れば
『章吾どうしたんだろう。』
だと思う。
なんたってあれだけ恵美が好きな事を周りがわかるくらいアピールしていたのに、告ったと言った次の日には、恵美を忘れ、私と付き合ってるなんて言ったから。皆がおかしく思って当然だと思う。
あれから私と恵美は一言も喋っていない。つまり今恵美はクラスでも学年でも一人なのだ。
恵美を嫌っている女の子達が私のところにきて、
『麗子!アンタ凄くない?あんだけ恵美にベタボレだった章吾を振り向かせるなんて!』
『本当だよねー!まったく。男にばっか色気づいてるから痛いめに合うのよ。いい気味だわ。』
この子達が言ってる事を聞いていて恵美が可哀相になったけれど…。
でも…あの時恵美が
『告られた』
なんて言ってなければ………。
私はパフユームを使っていなかったかもしれない。
恵美が……恵美がっ……!
それから何日か経ったある日。
章吾が男子軍団に体育館裏に連れていかれた。
私は後を追い掛けた。
ボソボソと話し声が聞こえる。
『おいおい章吾君よー。何故恵美ちゃんをやめてメガネ女にしたんだよ。』
…メガネ女?
私のこと?
『だよなぁ!俺もまったく理解できねぇ。やっぱ恵美ちゃんのほうが可愛いって!メガネ女とは比べものにならねぇ!』
…むかつくっ!
メガネ女ですって?
メガネかけてて何が悪いのよ!!
『うるせぇな!俺の好みなんだ!お前達に関係ねーだろ!なんでそんなにグチグチ言われなきゃなんねーんだよ!』
章吾が…キレた。
それから何日も何日も章吾は体育館裏に呼び出され、恵美を裏切ったなどと言われていた。
このままじゃ…章吾が可哀相!!
そうだ…あのパフユームで男子達の記憶を作りだしちゃえば………。
私たちが付き合っていて、章吾は恵美を嫌っていた、にすれば………!
私は授業をサボり、家に帰って押し入れのパフユームを持って学校へ戻った。
授業は終わり、みんな部活の準備をしている。
この際、男子だけではなく、女子にもかけてしまおう。
そのほうが手っ取り早い。
パフユームの残っている液は四分の三。
みんなにかけたら、四分の一になるだろう。
私は作戦を決行した。
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