パフユーム

7/11
前へ
/17ページ
次へ
まずは廊下にいる子に。 走りながらかけていく。 シューシユー……… 『ぅわっ!なんだこの臭い!』 『くっさぁい!せっかく新発売のコロンつけてきたのにっ!』 お願い…………。 章吾のためにも…… 章吾が恵美のことを好きだったことを忘れて………! 廊下のみんなにかけおわった後、他のクラスにかけにいく。 いよいよ自分のクラスだ……。 でも恵美がいる。 恵美にかけては………。 どうしよう。 どうみんなにかけたら……。 この際恵美にもかけてしまおう。 そしたら恵美とも普通に話せるもん…。 シュウッ!! みんな…忘れてっ!! …………… 次の日。 朝、恵美を待ってみるが、来なかった。 学校に行くと、男子は章吾のことをからかっていて、女子はいつも通り恵美の悪口を言っている。 みんな…忘れたのかな…? 『章吾おはよ。』 『麗子か。はよ』 章吾もいつも通り。 すると男子が、 『ほら章吾!愛する“麗子”が声かけてくれたよー?』 『照れちゃって!かわいいねぇ!』 前は恵美だったのに… 私になってる! ってことは効いてるんだ…! じゃあ恵美も! 『恵美!おはよう!』 恵美に声をかける。 でも恵美は…… 『なんで麗子ってそんなにノンキなの?もう私にかまわないでよ!』 なんで? 恵美だけ効いてない?! そんな……! 周りのみんなは効いてるのに…! きっと何かの間違い。 明日になればきっと………。 この日も恵美と喋れないまま学校が終わった。 家に帰るとお母さんが、 『麗子。ちょっといいかしら。』 なんだろう……。 『麗子。あなたお母さんに何か隠してない?』 『えっ…私何も隠してないよ?』 お母さんが変…… 『じゃあこれは何かしら。』 お母さんが目の前に出したのは… パフユームだった。 『なんでこんな物を持っているの?臭いもキツイし……いつこんな物を買ったのよ?!』 『何言ってるの!?いい臭いじゃない!それに買ったんじゃなくて貰ったのよっ!お店の人が払わなくていいって…!』 お母さんがおかしい。 こんなにいい臭いなのに……。 そういえば昨日も学校の皆にかけた時臭がってた……。 なんで!? どうしてよっ!? みんながおかしい………。 どうしちゃったの?!
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加