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休み時間が終わる知らせのチャイムが鳴り二人は教室へと足を向ける
「5限ってなんだっけ?」
潤に問いかける慎二。彼は時間割りを知らないのだろうか?
「体育だ。お前の唯一の取り柄のな。」
何を隠そう慎二は運動神経ならトップクラス。この学校では勉学と共に体育の順位もテストの度に貼り出される。
「おっ。あさみちゃんの授業なら楽だな。」
あさみちゃんとは彼らのクラスの体育を担任する教師である。
谷村 麻美。彼女は今年から赴任した新人教師であり、大学を卒業したばかりである。若くて容姿端麗である彼女は生徒からかなりの支持を得ている。
一部の男子の中でファンクラブを結成する程だ。
「だが、今日はフルマラソンらしいぞ?42.195kmだ。」
「なっ!?嘘だろ!?」
「先週お前だけそうなっただろ?あさみちゃんの胸を触ったとかの罰で…」
慎二は両手、両膝を地に付きがっくりと項垂れた。
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