15人が本棚に入れています
本棚に追加
一定のリズムで動かされる包丁。
慣れているのだろう。危なっかしさなど微塵も感じられない。
小皿にスープを入れそれを一口で飲み干す。
「ふむ。こんなもんか…。」
味見も終え、調理を終えた潤は皿に盛り付ける。
だがどう考えても一人で食べるには多い。
(作り過ぎちまったな。まぁ明日の朝食えばいいか。)
夕食をリビングに運びテレビを点けた。
やっていたのはまたキャットに関するニュースだ。
ふと猫のいた場所に目を動かし潤は驚いた。
ソファには猫ではなく自分と歳の変わらない少女がテレビを睨み付ける様に見ていたのだから。
思わず目を擦り、その場所を見やると少女はおらず猫が居ただけであった…
(疲れてんのかな。こいつが人間なんて事はねぇよな?まさかな…)
自分の考えを自嘲気味に笑い何事もなかったかの様に箸を進めた。
最初のコメントを投稿しよう!