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蔵から出て来た副長は俺の姿を確認すると、声をかけてきた。
土「古高が吐いた。奴ら、とんでもねぇことを考えてやがる。」
斎「あいつが吐かせたのか?」
土「あぁ。女の力はすげぇな。凛の姿、あれはまさしく鬼だな。」
俺が感じたあいつの姿。
副長も同じ事を感じたのだろう。
そして副長は鬼らしからぬ言葉を漏らした。
土「凛をあんなふうに変えてしまったのは俺だな…。」
斎「あんたが後悔してる姿は見たくないな。」
土「…そうだな。あいつの事になると鬼の副長の名が泣いてるぜ。」
副長は笑っていた。
俺は副長の心を感じた気がする。
あいつは副長にとって、なにものにも変えられない大切な存在なんだと。
あいつの事になると鬼に成り切れないのだと。
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