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ふと局長の方を見ると、あいつが局長と揉めている。
まさかと思い、話を聞いていると、案の定、あいつも一緒に行くと言っている。
勿論、誰もが反対だ。
しかしあいつの性格。そう簡単には引き下がらない。
俺が説得しようとすると、その前を総長である山南さんが過ぎて行った。
山「凛ちゃん、私と一緒に屯所を護ってくれないか?ここは病人ばかりだ。私だけでは屯所を狙われた時に護りきる自信がない。」
総長はこういう所まで頭がよく回る。
そしてあいつの性格をよく分かっている。
『危険だから』『女が戦場に来るな』
などと言ってもあいつは余計に反論してくる。
しかし総長のように力を貸して欲しいなどと言われれば、あいつは頷くしかあるまい。
俺は総長に一本取られた気がした。
しかし、あいつが来ないという事は一先ず安心だ。
俺は総長の元へ行った。
斎「総長、万が一の事があれば、あいつを…」
『護って下さい』
と言う前に、総長は真剣な眼差しで大きく頷いた。
きっとこの人は言わずともそうしていたはず。
そして俺達は会津藩の援軍を待たずして出発した。
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