第二章 秘められた想い

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ふと局長の方を見ると、あいつが局長と揉めている。 まさかと思い、話を聞いていると、案の定、あいつも一緒に行くと言っている。 勿論、誰もが反対だ。 しかしあいつの性格。そう簡単には引き下がらない。 俺が説得しようとすると、その前を総長である山南さんが過ぎて行った。 山「凛ちゃん、私と一緒に屯所を護ってくれないか?ここは病人ばかりだ。私だけでは屯所を狙われた時に護りきる自信がない。」 総長はこういう所まで頭がよく回る。 そしてあいつの性格をよく分かっている。 『危険だから』『女が戦場に来るな』 などと言ってもあいつは余計に反論してくる。 しかし総長のように力を貸して欲しいなどと言われれば、あいつは頷くしかあるまい。 俺は総長に一本取られた気がした。 しかし、あいつが来ないという事は一先ず安心だ。 俺は総長の元へ行った。 斎「総長、万が一の事があれば、あいつを…」 『護って下さい』 と言う前に、総長は真剣な眼差しで大きく頷いた。 きっとこの人は言わずともそうしていたはず。 そして俺達は会津藩の援軍を待たずして出発した。  
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