第二十三章 試衛館大学

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「土方せんせ~、今夜はどちらのお宅にお帰りですか?」 職員用更衣室で帰宅時間が一緒になった沖田と土方。 上司と部下という関係だが、沖田は鬼部長を部長とも思わぬ態度で向かい合う。 そんな沖田を土方も可愛がっていた。 沖田は外科医になるべく生まれて来たと言って良い程の腕前。 同期の中でも群を抜いている。 それは誰もが認める程だった。 「ねぇ~土方先生、飲みに行きません?」 「悪い、また今度な。」 「ふぅん、つぐみ先生のとこ行くんだ~。」 意地悪く唇を上げた沖田に土方は何も答えず、ロッカーの戸を閉めた。 「まったく土方先生は分かりやすい人だなぁ。じゃ、僕は帰って明日のオペのために早く寝よーっと。」 呆れたように言うと、 「じゃ、お疲れ様でーす。」 と言い、ジャケットを肩にかけながら更衣室を出て行った。 「はぁ…」 溜息をつき、土方は愛車を停めてある駐車場へ向かった。  
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