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あれから6年。
土方と愛人関係になってからもう6年。
何度となく土方を拒絶しようとした。
この関係が良いなんて思ったことは一度もない。
倫理に反すること。
それが"不倫"なのだから。
しかし、今日もつぐみは土方を拒絶することは出来なかった。
荒々しく抱かれた後、寝息をたてる土方の横顔を眺める。
この人を嫌いになれたらどんなに楽なのだろうと、いつも思う。
土方が妻に気持ちがないのは知っている。
しかし、戸籍上でも世の中の目から見ても、認められた関係は自分ではない。
つぐみが大きく息を吐き出そうとした時、土方の携帯がけたたましく鳴った。
「ねぇ、鳴ってるよ。」
携帯電話を取ろうとしない土方につぐみは声をかける。
「急患だったらどうするの?」
そう言われ、土方はようやく携帯電話に手を伸ばした。
「はい。はい?自殺未遂?手首を切った?沖田先生は?」
一通りの話を聞き、土方は「行きます」と言い、携帯電話を切った。
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