日常

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「ありがと……ってこのシャー芯って何ミリのやつ?」  鳥山は俺が差し出したシャー芯を指で摘んでジッと見つめながら聞いてきた。 「はぁ? 普通に0.5のシャー芯だけど」  俺が教えると鳥山はシャー芯を指先でポキッと折った 「はぁ……あり得ないわね」  鳥山はあからさまに溜め息を吐いて俺を非難した。  え、なにが? と何があり得ないのかわからず俺は内心戸惑ってしまった。 「私が0.7なのになんであんたは0.7じゃないのよ」  ……こいつが常識外れなだけだった。 「はぁ、しょうがないわね。先生はもうきてるし、あんたのシャーペンを借りてくわ。はぁ……まったく1日に何回ため息をつけばいいのかしら。私の幸せはどんどん去っていくのね」  鳥山は俺の机に置かれていたシャーペンを俺の了承無しに勝手に取り、そんなことを吐き捨てながら席に戻って行った。  ちなみに鳥山は廊下側の一番前で俺は窓際から3列目の一番後ろだ。  ってちょっと待てぇ! なに人のシャーペンを勝手に持って行ってんだ!! 俺が書けねぇじゃねぇか! てかため息つきたいのはこっちだ!! と言いたいことは盛り沢山だったが先生が来ていたので言うのを諦めた。  しかたなく俺は隣の佐藤さん(クラス委員長)に予備に持ってきているシャーペンを借りた。  ちなみに俺の隣は両方女子だ。右隣は最近休みのようだけど。  
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