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「かの有名な“moment”さんは忙しくて顔も見せれないのよね?」
どこか皮肉の含まれた口調で涼子は言った。
この3人は『国立スパイ養成学校』の時の同級生であり親友だ。
『国立スパイ養成学校』は18歳まで通うから俺らは卒業出来なかったが、全員が同じ『エージェント』の組織に属することが出来てみんなで喜んだ。
『エージェント』の属する組織は世界各地に数多く存在する。
俺の属する組織の名は『Convenient Organ』
直訳すれば『便利な組織』
規模で言えばまだそこまで大きくなく、人員もあまりいない。だが通り名を持つ『エージェント』の数が多い。
俺ら4人ではまだ俺だけだが、他の3人も近々決定するらしい。
通り名は組織が考える場合と、一般市民や周りから呼ばれ始める場合と二通りある。
俺の場合は前者だ。本部長が俺の力を知りそう名付けた。
後者の場合は蛮のようなやつを言う。
この3人は俺の力についてはまだ知らない。ただ自分達より速い程度だと思っている。
「ただ顔を見せなかっただけだろ?
それに最近はマジで忙しかったんだよ」
「ふーん。そうなんだ」
涼子は素っ気なく答えて、机に広げて置かれているお菓子の中にあったポテトチップスを指で一枚摘んで、少しだけ口でくわえてパリッと音を発てて半分に割った
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