独つ

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…暗い。 最初に意識に浮かんだのは、それ。 次にわかるのは少量の水が流れ出てくる音。 そして籠もったような臭い。 此処は下水道だった。 「なんでこんな所に……。」 誰かの声。 その声音は不満を表している。と思いきや、 「…あぁ、そうだったっけ。」 忘れていただけらしい。 下水道内を動き出した黒い影。 水に濡れないように、水横のコンクリートの上を歩く。 その口から漏れる言葉。 「アイツ…何だったんだろ?」 彼は、回想していた。
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