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数年前……。
僕にも昔、家族がいた。
「お父さん」がいて、「お母さん」がいて、「お姉さん」がいた。
みんながみんなを愛していた。
『幸せ』だった。
そんな日常は呆気なく崩れる。
…よそ者の手によって。
僕はその日、たまたま外にいた。
月と星が綺麗で見とれていた。
もっと近くで見たいから木にも登った。2Mほどの高さにいた。
すると、黒い塊がウチに来ていた。
僕はチャイムの音で気付いた。
顔を、見た。知らないよそ者。
相手は僕に気付かない。
当たり前だ。黒い服着て木に登ってればわからない。
そして、見た。
黒い塊が今見ている物。
…銀色の刃。
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