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猫は百歳になると言葉を話す。
いわゆる化け猫になる。
だがその年齢とは精神の話。
暗い体験。深い経験。広い知識。
それらにより引き起こされる精神的な老化。
彼は家族を失い、言葉を手に入れた。だから言葉は見捨てた証。忘れてはいけないもの。
そう思うのも、傲慢。
だからその話は終わり。
三毛猫は元気に答える。
「うん!」
そう言う彼女も似たような体験をしたんだろうな。
「何がそんなに嬉しい?キミも僕も普通じゃないのに。」
…やっと見つけたから。
細い声で彼女はそう言った。
彼には聞こえていないだろう。
「私達、家族になりましょ?」
「………はい?」
こうして2つの影は寄りどころを見つけた。……彼女の一方通行で。
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