0章 始まりの朝

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「サラお嬢様、旦那様と奥様はもうすでに起きていらっしゃいます。食堂の方へお向かい下さい」 ギルはサラの頭を優しく数回叩いて促した。 しかし、サラは一向に離す気配がない。 「サラお嬢様、私も食堂の方に行かなければ仕事を出来ないのですが」 早く離して欲しいです。 執事長が仕事をサボって居ては他の使用人に示しがつかないですからね。 「キスしてくれたら離すわ」 んー、耳がおかしくなったのでしょうか、幻聴?が聞こえましたね。 「サラお嬢様、いい加減離して下さいよ」 「だから、キスしてくれたら離してあげるわよ」 サラは顔を太陽よりも赤く染めた。 乱れてますね… 最近の若い人は乱れすぎだと思います!! 私もお嬢様と同じ歳なので、余り若い人がどうのって言えないんですけどね。笑 サラお嬢様は乱れているって言うより変態になりかけて居るのではないでしょうか? 「早くしないと、予定が狂うわよ?」 サラは静かに目を瞑って待っている。 限界です。 このままいったら、お嬢様の頭にチョップをいれてしまいそうです。 なので奥の手を使おうかと思います!! 奥の手を使ってはバレた場合、お嬢様にものすごく怒られますが、今はそうも言っていられません。
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