少年、衝撃発現

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「何してんだ?優有?」 ガチャリと扉が開いて全ての元凶たる我が兄上、笹本啓祐が顔を覗かせる。その能天気な面を張り倒してやろうかとも思ったけど、今は先ほどの衝撃的事実を確認するのが先だ。 「ねぇ啓祐、あれ誰?」 窓の外、いまだに校舎を見上げ続けている彼を指差す。 「学校では笹本先生。昔は“啓にぃ”なんて可愛く呼んでくれたのに」 啓祐もとい笹本先生はやれやれと両手を広げてみせながら、それでも私の指の先を覗きこむ。 「あぁ」 芝生に反射する光に目を細めながら笹本先生は納得したように頷く。  
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